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胸郭

『呼吸』のトレーニング

Training

胸郭には呼吸に関わる筋が多く存在します。
呼吸は体内に酸素を取り込み、また二酸化炭素を体外に排出するという、生命を維持するために必要な活動で、人が生きている間は常に行われています。
そのため呼吸を無意識で行っていることが多いですが、呼吸には単に酸素を体内に取り込み、二酸化酸素を体外に排出する以外にも、人間の身体活動に大きく影響を与える役割もあります。
今回は胸郭のトレーニングとして『呼吸』にフォーカスして情報をお伝えします。

 

 

英語には呼吸という意味で『Respiration』と『Breathing』という単語があります。
前者は酸素と二酸化炭素のガス交換という行為に対しての呼吸という意味合いで、後者は身体活動に影響を与える呼吸という意味合いが強いです。
今回はこの『Breathing』についてお話致します。

 

 

呼吸が身体活動に影響を与えると言いましたが、呼吸の種類によってはポジティブにもネガティブにも影響します。
まずは、『Paradoxical Breathing』と言われる、ネガティブな影響を与える呼吸です。
息を吸う時に、肋骨が拡張して首や胸などの呼吸補助筋が過収縮し、お腹は凹みます。


息を吐くときには逆に肋骨は閉じて、お腹は膨らみます。


このような呼吸では、横隔膜の吸気時の主動筋としての働きが失われ、腹横筋や腹斜筋などの体幹の筋群も吸気時における拮抗筋としての役目を果たせず、体幹の安定性も失われてしまいます。
また、呼吸補助筋を使いすぎることで肩や首の痛み・頭痛、腰痛などの原因にもなり、姿勢も崩れてしまいます。

 

 

このような状態を避けるためには適切な呼吸、『Breathing』が必要になります。
それでは、どのように意識して呼吸をすればいいのかを説明させて頂きます。
まず、息を吸う時には最初にお腹を膨らませて、その後に胸を膨らませるようにします。
首の筋を使わないように、息を吸う時にいきなり肩が上にあがらないようにします。
そして、鼻から息を吸って、口から吐くようにして1分間に8~10回のペースでゆっくり呼吸をします。
また、息を吐くときは吸う時の倍くらいの時間を使ってしっかり吐きます。
肺の下部には血管が多く血流が盛んなため、しっかり息を吐くことで全身の血流が良くなります。
このように呼吸をすることで横隔膜をしっかり使うことが出来、呼吸補助筋の過収縮による肩・首の痛み、頭痛・腰痛なども予防でき、また姿勢の改善にも繋がります。

 

 

次に、オフィスでの仕事中や学校での授業中など、椅子座位で過ごす時間が長い時に、使って頂きたい呼吸をご紹介します。
椅子に座った状態で、両足を外に開き(外転、外旋)ます。
背中を伸ばして、顎を少し引き正面を見ます。


息を吸う時に、手の平が天井の方向を向くように手を捻ります。


そして、息を吸った時に肋骨が外側に開くように意識します。
この呼吸を20~30分ごとに2~3回繰り返すことで、肩こり・腰痛・首の痛みなどの予防、姿勢の改善などに効果があります。

 

 

最後に、スペースのある場所でやって頂きたいエクササイズをもう一つご紹介します。
仰向けになり両足を5㎝くらいの高さの台などに乗せます。
チューブがあれば膝の上に付けます。
そして、両膝を閉じて、両肘を90°に曲げて身体に付けた状態からスタートします。


鼻から息を吸って、両膝・両肘を左右に開きます。


口から息を吐きながら、両膝・両肘を元の位置に戻します。
そして、息を吐き終わる時に腰と床の隙間を埋めるように骨盤を後傾させて、お尻を少し浮かします。


この呼吸を繰り返し、息を吐き終わる時は毎回、お尻を少し浮かします。
これを5~6回繰り返します。

 

 

今回は、胸郭のトレーニングとして『呼吸』をご紹介しました。
普段、無意識で行っている呼吸ですが、適切に行うことで呼吸は素晴らしくポジティブな影響を身体に与えてくれます。
結構、ディープな話題に発展する領域なので、またの機会に第2弾を書かせて頂こうと思います!

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