梨状筋症候群
Bodymaintenance
お尻や大腿後面の痛みや痺れなどの症状でお困りの方で“腰椎椎間板ヘルニアかな?”と感じている方もおられると思います。
このような症状では『梨状筋症候群』というケースも考えられます。
今回はこの『梨状筋症候群』について情報をご提供致します。
まず『梨状筋症候群』について簡単にご説明します。
梨状筋とは、臀部の深層にある筋で『仙骨』という骨盤を構成する骨から大腿骨にかけて付着し、股関節を外旋(外方向に捻る)する作用があります。
この梨状筋の下には『坐骨神経』という大きな神経が通ります。
そのため、梨状筋が硬くなったり周囲の軟部組織と癒着して動きが低下することで、坐骨神経を圧迫し、痛みや痺れ等の症状が現れることがあります。
これを『梨状筋症候群』と呼びます。
発症のメカニズムは、臀部打撲による筋の拘縮・スポーツなどによるオーバーユース、長時間の椅子座位や前屈みなど中腰の姿勢で筋が圧迫されるなどがあります。
腰痛や臀部、大腿部後面への痛み・痺れなどの症状のため、椎間板ヘルニアとの識別が必要ですが、『梨状筋症候群』の場合は股関節の他動的な内旋(内方向に捻る)や、股関節を外旋するように筋を収縮した際に症状が強まります。
治療については、鎮痛剤や神経ブロック、物理療法などが一般的ですが中には手術で梨状筋を切り坐骨神経を開放するというケースもあります。
また個人で出来るケアとしては、ストレッチが予防や症状の改善に有効だとされています。
今回は、このストレッチについていくつかご紹介します。
まず最初に床に座り、片方の脚を伸ばし、もう片方の脚は膝を曲げ、伸ばした脚にクロスするようにします。
そして、曲げている脚とは反対の肘を膝の外側につけて、内側に押し込むようにします。
2つ目は、床に仰向けになり片方の膝を胸に抱えるようにします。
そして、その膝を内側に引きます。
この時、骨盤が動かないように気を付けてください。
次は、仰向けになり片側の膝を90°くらい曲げます。
反対の脚の足首を90°曲げた側の膝の上に乗せるように、脚を組みます。
そのままのポジションで90°曲げた膝を胸に抱えるように引き付けます。
これで、脚を組んでいる側のストレッチになります。
最後は、四つ這いになり片方の足首を、反対の膝の前に置きます。
そして、腰を後ろに引くようにして、お尻をストレッチします。
これらのストレッチでは全て、お尻の外後方が伸ばされているように感じるはずです。
無理をせずに心地いい範囲で、呼吸を止めず20~30秒ほどを2~3セット実施してください。
ストレッチ感以外の痛みを感じたり、痺れを感じる場合は中止してください。
競技をされている方は無理をせず、ドクターやトレーナーに相談し、競技復帰の際にはドクターの許可を得るようにしてください。
また、梨状筋が周囲の軟部組織と癒着している場合や、骨盤・脊柱の歪み(マルアライメント)が原因の場合はストレッチでは中々改善しないかもしれません。その場合はお気軽にご相談ください!!