足部の安定:足底のアクティベーション
Bodymaintenance
足部は身体のベースになる部位で、地面に対して人の体重をしっかり支えたり、また歩行やランニングの際には地面を蹴ってしっかり力を伝えるためにその安定性が非常に重要になります。
そのため、もし足部の安定性の機能が損なわれると身体各部位への影響も少なくありません。
足部の安定性が失われる理由は様々ですが、最近では特に偏平足の方が多いように感じております。
偏平足は足の内側アーチが降下したアライメント(関節の配列)不全ですが、外反母趾や足底腱膜炎など多くの方が悩んでおられる疾患の原因にもなります。
今回はこの偏平足による影響や、それを改善する方法などについて情報を提供させて頂きます。
まず偏平足により下腿は内旋(脛が内側に捻じれる)します。
それにより膝にストレスがかかります。
また、足部の内側アーチが下がることで親指の背屈(上方向に反らす)可動域が低下します。
足の親指の背屈可動域は通常歩行で最低40~55°、ランニングでは最低65°必要と言われており、この可動域が低下することで下肢に様々なストレスがかかる原因になります。
また、スポーツ選手の場合はカッティングなどの方向転換の際、外側荷重にならないよう親指がしっかり地面についている必要があります。
親指の可動域が低下すると方向転換の際などに親指が地面から離れてしまいます。
これが出来ないと怪我やパフォーマンス低下の原因になってしまいます。
偏平足もそうですが、その他の足部の疾患でも足底がアクティベーション(活性化)できていないケースが多いです。
そこで足底をアクティベーションする方法をご紹介します。
まずは立った状態で足首から身体を前傾させます。
この際、股関節が曲がってしまわないように足首から頭まで一直線になるようにしてください。
身体が前傾すると足の指が反射的に床をつかもうとして足部が安定します。
これにより足底がアクティベーションします。
この際、『足の指で床を掴めない』、『左右の指が非対称』な場合などは足部の不安定性のサインです。
この前傾姿勢を数秒キープすることを繰り返して足部をアクティベーションさせてください。
次は足の親指の背屈可動域チェックです。
まず椅子に座った状態で親指がどれだけ上に持ち上がるかチェックしてもらってください。
次に立った状態でも同じチェックをします。
座った時と立った時で可動域の差が大きい方は荷重による足の内側アーチの降下により親指の背屈可動域が低下している可能性があります。
これを改善するためのエクササイズです。
まず立った状態で両膝を少し緩めます。
そして両膝を少し外側に開きます。
これによって臀筋(お尻の筋肉)が収縮します。
この状態のまま親指の付け根でセラバンド(無ければメモ用紙や名刺のような紙でも大丈夫です)を踏みます。
セラバンドを内側に引っ張った状態で足の指の上げ下ろしを繰り返します。
この時、膝が内側を向いたりセラバンドが抜けてしまったりしないよう気を付けてください。
これにより足底が更にアクティベーションされ親指の背屈可動域も改善してきます。
このエクササイズや先程の前傾エクササイズは偏平足の方だけに限らず足部の安定性向上のためには有効です。
スポーツをされている方はウォームアップとして、また一般の方も足底をアクティベーションして足部の痛みや疾患の予防に役立ててください!
今回は足部をアクティベーションして安定性を向上させるための情報をお伝えしましたが、外反母趾など足部の疾患が中々改善せずお悩みの方も多いかと思います。このような方は是非、一度ご相談ください!!