脊柱回旋のコントロール~体幹の抗回旋トレーニング~
Training
脊柱の回旋は日常生活の中で何気なく行われていますが、特に胸椎(脊柱の胸の部分)の回旋可動域を保つのは人間が持って生まれた機能的な動きを実践するために非常に重要です。
特に、アスリートなどスポーツをされる方にとっては、この胸椎の回旋可動域の低下は競技力向上にとってマイナス要素になるだけでなく怪我の要因にもなってしまいます。
しかし、機能的に胸椎を回旋させるためには体幹を含めた脊柱の安定性獲得が必要です。
身体のある部位をしっかり動かすためには、その隣接する部位がしっかり安定している必要があるからです。
今回は、この脊柱に対する回旋負荷に対して体幹を安定させるエクササイズをいくつかご紹介します。
まずは腕立て伏せの姿勢になります。
この時、腰が反り過ぎたり丸まったりせず、また両手で床を押すように意識して肩甲骨が背中に添うようにしてください。
頭は下がったり上がったりせず脊柱に対してニュートラルになるように気を付けてください。
このスタートポジションから片手を挙げて反対の肩にタッチします。
そのまま3秒キープします。
片手を挙げると、両足・反対の手の3点で身体を支えることになるので脊柱に対して回旋の負荷がかかります。
そこで身体が捻じれてしまわないように脊柱のニュートラルを保ちます。
そして、挙げている側の手を降ろして反対の手にチェンジして同じように3秒間キープします。
これを数回ずつ繰り返しますが、最初は正しい姿勢を保てる範囲で実施してください。
慣れてくれば、挙げた手と反対側の脚も同時に挙げてキープに挑戦してみてください。
次は、先程と同じく腕立て伏せの姿勢からスタートします。
まずは、ゆっくりと片側の肘を床に着けます。
そして、反対側の肘も床に着けて肘立ちのポジションになります。
その後、先に肘を付けた側の肘を伸ばして、後から肘を付けた側の肘も伸ばして元のスタートポジションに戻ります。
この間、身体が傾いたり捻じれたりしないよう重力に抵抗して安定を保ちます。
慣れてくれば腰に転がりやすい不安定な物などを乗せて、それが落ちないようにコントロールしてください。
最後にもう一つ、サンドバッグを使ったエクササイズです。
同じく腕立て伏せのポジションでスタートします。
胸の下あたりにサンドバッグを置いて、片手で外側にサンドバッグを引きます。
そして、反対の手で反対側にサンドバッグを引く動作を繰り返します。
片手を挙げることによって生じる重力への回旋ストレスとサンドバッグを引くことによって生じる体幹や上肢に対するストレスに対抗して、身体が曲がったり捻じれたりしないようにキープします。
サンドバッグはゆっくり引くほうが負荷が上がるので、出来るだけゆっくり引くようにしてください。
今回は、胸椎回旋可動域を獲得するために、まず体幹の安定性を向上させるエクササイズをご紹介しました。
また次の機会には次のステップとして、体幹を安定させて胸椎をしっかり動かすようなエクササイズもご紹介しようを思います!!