ラテラルスクワット~前額面のトレーニング~
Training
スクワットのバリエーションとして今回は『ラテラルスクワット』をご紹介します。
通常のスクワットに対して、ラテラルスクワットは横方向に力を伝える能力を獲得するのに適しています。
ほとんどのスポーツでは直線的な動きだけではなく横方向へのカッティング等、多方面への動きが必要になります。
ラテラルスクワットで、このような動きに対してのトレーニングが可能になります。
まず、最初に壁を使ったドリルからご紹介します。
1つ目は“ラテラルウォールドリル”です。
壁に対して直角に立ち、スタンスを広めにとります。
前腕を壁につけます。
内側の脚を上げ、外側の脚で身体を支えて前腕で壁を押すようにします。
そして、支持脚の膝を少し後ろに引くことで、臀筋(お尻の筋)の収縮を促します。
まずは、このポジションをキープするところから始めます。
この時、支持脚の膝と足首の位置関係に注意してください。
膝は足首の真上近くではなく、足首よりも内側(股関節方向)になるようにしてください。
膝の位置が足首の真上近くであれば、力の発揮は横方向ではなく、真上方向に近くなります。
※膝が足首の真上近くにあるため、力の発揮は真上方向に近くなる
つまり、横方向への動きのトレーニングに対してロスになります。
実際の競技などでも、この膝と足首の位置関係によりロスなく横方向に切り返せるかどうかに影響を及ぼします。
正しいポジションがキープできるようになれば、次は動きを入れます。
手の平を壁につけて、先程のポジションになります。
そして、壁に力を伝えるようイメージして、支持脚で床を蹴るように脚を伸ばします。
この時、実際のカッティング後の動きに近くなるように、支持脚と同側の腕と反対側の脚も壁の方向に引き付けるようにします。
重心が上がらないように、壁に対して力を伝えるよう意識してください。
次は、“クロスオーバーウォールドリル”です。
カッティングで横方向に動いた時の2歩目をイメージしたトレーニングになります。
先程と同じように手の平を壁につけます。
このドリルでは内側の脚を壁から離して外側の脚を浮かし、内側の脚で身体を支持します。
膝を少し後ろに引いて、臀筋の収縮を促します。
そして、壁に力を伝えるように支持脚で床を蹴るように脚を伸ばします。
この時も、実際の動きに近くなるよう支持脚の反対側の腕は後ろに引き、反対側の脚は壁の方向に引き付けるようにします。
先程と同じように重心が上がらないように、壁に対して力を伝えるように意識してください。
また、支持脚の親指が床から離れないよう意識してください。
最後に、負荷を用いたバリエーションをご紹介します。
バーベルやダンベルなど様々な負荷を使ってラテラルスクワットを行うことも出来ますが、下の写真はサンドバッグをフロントポジションで保持したものと、横方向への負荷を増やすためにチューブを肩にかけたバリエーションです。
アイデア次第で多彩なバリエーションが可能です。
今回は、横方向への動きのトレーニングとしてラテラルスクワットをご紹介しました。
機能的で効果的なトレーニングを実施するには、特定の筋肉を鍛えるイメージではなく、“動きを鍛える、動きのトレーニング”を実施する意識が重要です。
今後もより機能的で効果の得られる、また安全なトレーニングをご紹介したいと思います!!