肩甲骨のスタビリティトレーニング
Training
今回は肩甲骨の安定(Stability)のためのトレーニングをご紹介します。
肩甲骨は動きの大きな肩関節のベースになる部分なので、その安定性が肩の機能に大きな影響を与えます。
しかし、肩甲骨は胸郭や体幹と密接に関係しあっているため、これらの部位との関係性を踏まえたトレーニングが大事です。
まず、ベア(Bear)というエクササイズからです。
四つ這いになり両手を肩の真下に、両膝を股関節の真下にします。
両膝を床から少し浮かせて、両手・両足のつま先で身体を支えます。
この時に腰が反ったり、丸まったりしないように、また肩甲骨が浮いてしまわないように両手でしっかり床を押すようにします。
頭も下がったり、反ったりしないようにしてください。
正しいポジションをキープすることで体幹・肩甲骨の安定性向上や足部のアクティベーションに効果があります。
ベアが正しく出来れば、次はすこしプログレッションします。
まず、左右どちらかの手を上げ、3点で支持します。
次に、左右どちらかの足を上げ、また3点で支持します。
この3点指示が出来れば、左右どちらかの手とその反対側の足を上げてキープします。
この時も腰が反ったり丸まったりしないように、身体が捻じれないように、手をついている方の肩甲骨が浮いてしまわないように、頭が下がったり反ったりしないよう気をつけてください。
次に、ベアのポジションから体勢を変えていきます。
身体を反転するようにしながら、手をついている側の肩甲骨をしっかり安定させます。
この時、床を手の平でしっかり押すようにすることで肩甲骨を胸郭の正しいポジションにキープすることができます。
また、脊柱が捻じれてしまわないように体幹もしっかり安定させるように意識してください。
この後、もとのベアのポジションに戻り、反対側も同じようにします。
これを正しくできる範囲で繰り返すことで、体幹を安定させながら肩甲骨をボディポジションの変化に応じて安定した位置にキープするトレーニングになります。
ベアの次は、赤ちゃんの発達学的なエクササイズです。
床にうつ伏せになります。
スタートのポジションは両手を肩鎖関節の延長線上に置き、肘を耳の高さになるようにします。
このポジションから身体を浮かせて両肘・前腕と両膝で支えます。
これは赤ちゃんの3カ月のポジションですが、大人がやると大変ハードです。
腰が反ったり頭が下がらないように、呼吸を止めないように気を付けてください。
これが出来れば、次は4.5カ月のポジションです。
スタートポジションは先程とほぼ同じですが、片方の膝を曲げた状態にします。
そして、身体を浮かせて曲げている方の膝とその反対側の前腕・肘で支えます。
これも大人がやると相当ハードです。
正しいポジションがキープ出来なければ無理はしないでください。
肩甲骨は胸郭との間に安定のための関節を形成します。
しかし、動きのための関節である肩関節のベースになるため、ただ単に止まっているだけでは、その機能を果たすことができません。
肩甲骨が機能的に役割を果たすためには近接する部位との関係性を考慮したトレーニングが必要になります。
今回ご紹介したエクササイズを是非、お試しください!!